明日でいいやを乗り越えるには? 行動経済学と0.1%の複利

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行動経済学が教えてくれる「続かない理由」

『行動経済学が最強の学問である』を読んで改めて感じたのは、人間の意思決定って本当に不思議だということ。
特に印象に残ったのが「ナッジ理論」。強制ではなく、環境や選択肢を少し変えるだけで“自然と良い行動を選びやすくする”という考え方です。

臓器提供の「デフォルト設定を変えるだけで提供率が上がる」という有名な例がありますが、これは私たちの日常にも応用できます。
たとえば、ベッドからスマホを遠ざけるだけで、起きたあと自然と体を動かすようになる。そんな“小さな仕掛け”が、行動の起点になるんです。

自分にとってのナッジ=5:01起床

私の場合のナッジは「5:01に起きる」ことでした。
最初はただコーヒーを飲みながらスマホを眺めるだけ。でもそれだけで「早起きできた自分、ちょっとすごい」と感じられました。

続けるためにNotionでチェックをつけて記録。
66日続けると習慣になると聞いたので、まずはそこを目標に。
そして、114日間継続できた今では、自然と「腹筋10回」や「行動の順番固定(起きる→椅子を動かす→服を脱ぐ→筋トレ)」といった小さな習慣も加わりました。
考える前に動ける流れを仕組み化することで、迷いが減り、継続しやすくなる。これもまたナッジの力です。

0.1%の複利と「取らぬ狸の皮算用」

行動経済学が教えてくれるもう一つの大事な視点が、「人は小さな積み重ねを過小評価してしまう」という点。
“明日でいいや”“今日やっても変わらない”と思ってしまうのは、人間の脳の仕組みそのものなんです(現在バイアス・双曲割引)。

そこで私は「取らぬ狸の皮算用」をあえてポジティブに使うことにしました。
「このまま続けたらどんな未来になるだろう?」と想像してワクワクすることで、今日の一歩を踏み出しやすくなる。

たとえば、日利0.1%の複利で100万円を運用すると、1年後には約144万円。
1日10分の英語学習でも、1年で61時間になる。
こうして“積み重ねの未来”を思い浮かべることで、今の行動を後押しできるんです。

今日からできる“超小さなナッジ”リスト

  • 机に水を置いておく → 起きた瞬間に水を飲む習慣が自然に始まる
  • 運動着を前の晩に出しておく → 朝の迷いを減らす
  • スマホをベッドから離す → 起きたらまず体を動かす
  • 行動の順番を固定する → 「起きる→椅子を動かす→服を脱ぐ→筋トレ」
  • アラーム名を工夫する → 「水を飲め」「腹筋10回だけ」などのメッセージをセット

ほんの少し環境を変えるだけで、人は驚くほど行動しやすくなります。
AIが知識をいくらでも与えてくれる時代だからこそ、「行動に移すこと」こそ最大の差別化。
今日の小さな一歩が、未来を変える大きな一歩になるはずです。

記事概要

  • ナッジ理論は「人を自然に良い行動へ導く」仕組み
  • 小さな環境の変化が行動を変える
  • 習慣化は「考える前に動く」仕組みづくりが鍵
  • 現在バイアス・双曲割引が“続かない原因”
  • 「取らぬ狸の皮算用」をポジティブに使って行動を後押し